注文の多い料理店の序文やばいんだよね

学校の授業で宮沢賢治のことを勉強する授業があって、先生が音読してくれて大好きになった文章。注文の多い料理店(童話集)の序文。

 ちっちゃくても良いから声に出して読んでみてほしい。

 

 

 

わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。

またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗らしやや、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。

わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。

これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、にじや月あかりからもらつてきたのです。

ほんたうに、かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかつたり、十一月の山の風のなかに、ふるへながら立つたりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんたうにもう、どうしてもこんなことがあるやうでしかたないといふことを、わたくしはそのとほり書いたまでです。

ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。

けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。

          

大正十二年十二月二十日

宮沢賢治

 

言葉選びのセンスとか、並べ方とか、声に出して読んだ時の音のリズムとか、本当にすごいと思った。何回読んでもすごい。すごいとしか言い表せないのが悔しい。こんな文章が書けるような人に、私はなりたい。

いつか遠藤憲一に朗読してもらいたい。

 

村上春樹とよく一緒に紹介されるフランツ・カフカの小説をまだちゃんと読めてないから『変身』と『断食芸人』は春休みのうちに読もうと思う。

 

読むスピードがめっちゃ遅いのが悩み。

 

おわり